ビタミンCが不足すると、からだでは恐ろしい変化が起こります。コラーゲンの生成と保持ができなくなり、体中の血管がボロボロになってしまうのです。これは、出血性の障害が各器官に起こる「壊血病」という病気です。この病気は16〜18世紀の大航海時代に、海賊以上に恐れられました。というのも、海の上ではビタミンCを含む食品がとれなかったからです。バスコ・ダ・ガマのインド航路発見の際には、160人の乗組員のうち100人が壊血病で死亡しています。原因がわからないため、なすすべがなかったのでしょう。
ビタミンC合成に成功するまで
予防策がわかったのは、1747年のこと。イギリス海軍医ジェームス・リンドが、オレンジやレモンなどの柑橘類を食べることで、この病気を予防できることを発見しました。
その後、イギリス海軍では水兵に毎日ライムジュースを飲ませるようにしたため、イギリスの水兵は今でも“ライムジューサー”と呼ばれるそうです。
経験的に壊血病の予防法は見い出したものの、ビタミンCの不足が原因だと詳しく解明されたのは、ずっとあとのこと。ビタミンCの構造が決定され、合成に成功するのは約200年後の1933年です。
●ビタミンC研究の変遷
・1747年…ジェームス・リンド、柑橘類で壊血病予防に成功
・1932年…キング、レモン果汁からビタミンCを単離し結晶化
・1933年…ハワース、ビタミンCの構造式を決定
・1933年…ライヒスタイン、ビタミンCの合成に成功、後にノーベル賞を受賞
コラーゲンをつくる役目
ビタミンCが不足すると、なぜ血管がボロボロになるのでしょうか?
それは、血管を構成しているタンパク質のコラーゲンが合成できなくなるからです。コラーゲンには、ヒドロキシリジンとヒドロキシプロリンという特異的なアミノ酸が存在します。これらは、リジンとプロリンがビタミンCによって水酸化されて、はじめてつくられます。
血管だけでなく、皮膚や骨など全身の組織も支えているコラーゲン。その生成に、ビタミンCは必要不可欠なのです。
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